ブラック企業

12時間労働は違法!?休憩&給料の実態を体験者が赤裸々告白!

長時間労働で毎日がつらい・・。長く働いているのに給料が見合っていない・・・。そんな悩みを抱えている人は少なくありません。

今回は12時間以上という過酷な労働環境にいる方へ、「12時間労働当たり前の会社」を何社も渡り歩いてきた私が、

・12時間労働って違法じゃないの?

・12時間労働って休憩はどうなっているの?

・12時間労働って給料いいの?

・12時間労働は世間では当たり前なの?

という疑問にすべて答えていきます。

今の職場環境で12時間労働に疑問を感じている方、いま考えている転職先が12時間労働で迷っている方は、この記事が少しでも参考になればうれしいです。

12時間労働って違法なのか?

12時間労働は必ずしも違法ではありません

12時間労働は、聞けば違法と思われがちではありますが必ずしも違法ではありません。

労働者を残業可能にするには、会社が労働基準監督署に届け出をしていれば問題はなく、12時間労働は違法とはなりません。しかし、いくら違法ではないといっても労働者本人の身体的な疲れがつらいことに変わりはありません。

労働基準法が定める基本的な労働時間

労働基準監督署が定める基本的な労働時間は、1日8時間とされています。

これは、労働基準法第三十二条2で労働者が働く時間は休憩時間を除いて、8時間を超えてはいけないと定められています。

「じゃあ、やっぱり12時間労働は違法」って思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、上記でも書いた通り会社が労働基準監督署に届け出をしていれば違法にはなりません。

労働基準法が定める基本的な労働時間(1週間)

労働基準法が定める基本的な労働時間を1週間にすると、40時間とされています。週休2日で週に5日働くと考えると、1日あたり8時間になりますから1週間で40時間ということです。

実は1日の残業時間の上限はない

実は法律で定められた1日の残業時間の上限はありません。しかし、好きなだけ残業させられるわけでもありません。

労働基準法に36協定というものがあり、会社が労働者に法定労働時間(要は1日8時間)を超える労働をさせる場合には、労働基準監督署に届け出をしなければいけないという制度があります。

ダイコク
ダイコク
従業員に残業させたいんだったら、届け出だしてね!出さなかった罰しちゃうからね!ということです。

会社が36協定の届出を行うときに、1日について残業することができる時間をそれぞれの会社で定めて申請しなければいけません。

届出を行う際に、あまりにも長すぎる時間を申請してしまうとその会社はブラック企業のイメージがついてしまうため、ほとんどの会社では1日当たりの残業時間の限度を5時間程度としています。

ダイコク
ダイコク
つまり会社がキチンと申請さえしていれば、12時間労働は違法ではないということです

12時間労働だと休憩はどうなるの?

労働基準法で休憩時間もキチンと定められています

下記のように労働基準法で休憩時間は定められています。

・1日6時間以上8時間未満の場合は少なくとも45分の休憩

・8位時間以上の場合は少なくとも1時間の休憩

また、労働基準法では休憩中、労働者は労働から解放されている必要があり会社は従業員の行動を制限してはならないと決められています。

休憩中でも電話を取らなければいけない場合や、休憩中でも職場から離れられない場合などは休憩時間ではなく、待機時間とカウントされることがあり立派な労働時間とされる場合があります。

では、12時間労働の場合は?

上記の通り、休憩時間に関しては労働基準法で定められてはいますが、残業が発生し、労働時間が12時間に伸びたとしても会社にはそれ以上の休憩を従業員に付与する義務がありません。

そのため、労働基準法上では残業中に休憩がなくても違法にはなりません。しかし、会社によっては長時間の残業を見越しての休憩を付与してくれるところもあります。

ダイコク
ダイコク
会社は残業中の従業員に休憩を与える義務はないということです

12時間労働の給料は?

毎日12時間労働をしていると、労働時間で言うと30万以上稼げるはずですが実際はどうだと思いますか?12時間労働という極限労働環境を4社経験した筆者が、リアルな給料事情を暴露します。

12時間勤務当たり前の工場勤務

こちらの会社では週休一日、昼勤夜勤の2交代制で残業手当付きで手取りは26万前後でした。

この会社ではきっちり交代制が守られていたので、12時間を超えることはなかったですが、昼勤夜勤の交代が1週間で交代だったので私自身よりも妻の方が体調を崩してしまい辞めました。

ここで、いま12時間労働や過酷な労働環境に毎日身を置いている方は注目していただきたいんですが、仮に自分が平気だったとしても、それに合わせて生活をしている家族の体調も案じてあげてください。

私自身の実体験ですから、他のご家庭でも自分に合わせて生活してくれている家族が先に体調を崩してしまう可能性は十分にあります。

ダイコク
ダイコク
家族がある方は自分一人だけの体ではないことを肝に銘じてください!

事故多発、危ない食品ルート配送

こちらの会社では週休1日だったり2日だったり、(市場の休みに合わせていたため)一日の労働時間は15時間から17時間で残業手当なしで手取り20万を切っていました。

私が今まで身を置かせていただいた会社の中で一番のブラック企業と言えるでしょう。(2年いました)

この会社では残業手当は支給されず、超過勤務手当という形で支給はされていました。この超過勤務手当は残業時間は関係せず、1か月にどれだけ残業しようとまとめて払うというシステム。

ダイコク
ダイコク
要は残業しようとしまいと一か月の給料は変わらない

毎日12時間労働を大幅に上回り、繁忙期になると20時間近く働かされ、あげくに配達もしなくてはいけないという劣悪環境でした。そんな環境でしたので、睡眠不足で事故を起こしてしまう同僚はたくさんいました。

もちろん私も睡眠不足なうえ、繁忙期の時期に事故は起こさなかったですが(正月シーズンで車が少なかったんです)気づくと反対車線を爆走していたことに身の危険を感じ、退社いたしました。

ブラック気質のコンビニルート配送

こちらの会社では週休二日、正月休みやお盆休みは一切なしでコースによってばらつきはありましたが、12時間から14時間で手取りは24万前後でした。

ただでさえ睡眠不足が大敵のドライバー職でもこのぐらいの時間は平気で働かされていました。(全体的にもドライバー職は労働時間が長いというイメージはありますが)

コンビニルート配送に関して詳しく知りたい方はこちらへ

コンビニ配送ってきつい?10年経験したドライバーがリアルを激白!今回は、ドライバーの中でもきついといわれるコンビニルート配送を10年近く勤めた私が、コンビニルート配送についてのメリット・デメリットを詳...

終わるまで帰れない倉庫業務

こちらの会社では、週休1日だったり2日だったり(年間休日が105日だったため)労働時間は12時間から15時間で手取りは23万円前後でした。

運送業の構内作業員でしたが、その日の出荷が完全に終わるまで帰れないというなかなか過酷な環境で、従業員を増員してくれれば、帰れる環境ではありましたが絶対に人を補充してくれない会社でした。

12時間労働は給料いいとはいえないという結論

いかがでしたでしょうか?私が今まで経験してきた12時間労働の過酷な環境を思い出しながら書いてみました。

やはりこうしてみると、12時間労働を課してしまう会社自体がブラック気質なところがあり12時間労働がつらいだけであとは文句がないと思うところはひとつもありませんでした。

12時間労働を課すというだけで、もうそこはすでにブラック気質が滲み出ているんです。上記の私の経験を見て、「けっこう給料いいじゃん」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも「残業あっての給料」なんです。

ですので、12時間労働は決して給料がいいとは言えません。

12時間労働は世間的には当たり前なの?

「12時間労働は世間的には当たり前なのか?」という疑問に関しては、はっきりと答えますと当たり前ではありません!!

昭和の高度経済成長期には、長時間労働を従業員に課し利益を上げていくという手法は確かに有効でした。しかし、現在の日本と違い若者が多く何よりも人口がどんどん増加する時代だったんです。

ダイコク
ダイコク
人口が多いから人が辞めてしまえば、すぐに新しい人を雇えばいいという発想です

この時代を生き抜いてきた人々がいま経営者をしているわけですから、そのころの仕事に対しての文化が根強く残っているため、長時間労働は日本から無くならないのです。

経営者にとっては12時間労働は当たり前と考える方はまだ多いですが、世間的には12時間労働は当たり前ではなく、もはや時代遅れなのです。

12時間労働は過労死ラインに相当します

12時間労働は行政によって設けられている過労死ラインになっていて、12時間労働を毎日続けていくことは非常に危険とされています。

過労死ラインとは・・・あまりにも長時間の労働によって健康障害に陥ってしまった場合に、労働災害と判断されるため、設けられている時間外労働の目安となる時間のことです。

現在の労働行政での過労死ラインは80時間と定められています。月に20日働くとすると1日当たり4時間の残業、つまり12時間労働となるわけです。

12時間労働で悩んでいる方へ

健康への配慮

いま12時間労働で悩んでいる方に一番に考えてほしいのが自分自身への健康への配慮です。毎日12時間労働で働いている方は長時間の労働に対して麻痺している方に多いですし、最悪の場合、過労死だってありえるのです。

体調を壊したり、過労死してからでは遅すぎますのでまずは自分自身の健康への配慮を行いましょう。「今はまだ若いから大丈夫」だと思って、体力的には問題がなかったとしても精神的にはだいぶ来ているのかもしれません。

上記でも書いた通り12時間労働は過労死ラインです。そのことを十分に肝に銘じて健康への配慮を行ってください。

転職を考えてみる

思い切って転職を考えてみるのも一つの手です。

「転職がめんどくさい」「会社を辞めることがこわい」そう思っている方は確かに多いと思います。しかし、現在の12時間労働の環境はあなたにとって必ずしもいい方向に転がるわけではありません。

繁忙期だけ長時間労働ならば、まだ仕方ないかもしれませんが継続的に12時間労働の会社は、転職を考えてみるのもいいでしょう。

「仕事を辞めたらみんなに迷惑がかかる」そう思って、転職に躊躇している方も多いと思いますが、「あなたの人生」なんです。自分の体調や今後を一番に考えてください。

上司に訴えてみる

「12時間労働はもうつらいです」と上司に思い切って訴えてみるのも一つの手です。

もしかすると上司は上司であなたに甘えている場合があり「あいつは何も言わなくてもやってくれるからいいや」と思っているかもしれません。

そこで、転職を考えづらいのならばいっそ上司にその思いの丈をぶつけてみましょう。あなたが、会社に多大なる損害を与え続けているんなら話は別ですが、普通にやっていれば「辞められるのは困る」と思う上司が一般的です。

それが12時間労働という過酷な労働ならばなおさらです。12時間労働を課しているという時点で人手が足りないわけですから、これ以上人が辞めてしまうと一番困るのは上司だからです。

現在では12時間労働を課しているような会社には人はほとんど入ってきません。それがわかっている上司ならば、今の環境を改善してくれるかもしれません。

労働基準監督署に相談する

労働基準監督署に相談することもあなたの12時間労働の脱出をたすけてくれる一つの手です。

一般的には電話対応が主ですが、毎日多数の相談がきてしまうとなかなか処理されないことが多いのが現状です。緊急性を伝えたいならば、証拠を持ち、直接足を運ぶのが有力です。

ここで証拠として有効なものを紹介します。

・給与明細

・タイムカード
(タイムカードが強制的に切られてしまう会社の人は出勤時間をメモしたものでも可能です)

・日報、日誌など

でも、相談するにあたって自分が相談したってバレる可能性があるんじゃないか?と思うかもしれませんが、バレることは絶対にありえません。

労働基準監督署には、ちゃんとした守秘義務がありますので、絶対に通報者を公表してはいけないと決まりがあります。

「転職が考えられない」「上司に直接言えない」という方は、とりあえず相談という意味でも一度、労働基準監督署に相談してみるのもいいでしょう。

長時間労働に疑問をもつあなたへ

いかかがでしたでしょうか?

過去に12時間労働をこなしていた私が当時のことを思い出しつつ書いてみました。当時の頃を思い出してみて、感じたんですがやっぱり若い頃は「長く働いている自分かっこいい!」みたいな感じで自分に酔っている部分が多くありましたね。

他の同僚たちに「がんばってるな」とか「長く働いて偉いね」とか言われてしまうと、自分の酔いに拍車がかかっていたような気がします。

あとは私が仕事に対して常に「申し訳ない」という気持ちで仕事をしていたということ。「自分が帰るとみんなに負担がかかる」「風邪ひいちゃったけど、出勤しないと申し訳ない」「自分が残業すれば他の人を帰らせられる」

私自身もそうでしたから、いま12時間労働や長時間労働をこなしているみなさんも少なからずこういう気持ちで仕事をしている方は多いと思います。

「周りの人間が全員、長時間労働をしているから自分だけ帰るわけには、、」とか思っている方もいらっしゃるとは思いますが、でもそれを我慢して体を壊してしまえば元も子もないんです。

少しでも、体の不調や今まで味わったことのない精神の不安定さを覚え始めたら、早めの判断を強くお勧めします。私もその判断の遅さで体を壊してしまった一人ですから、この記事を読んだ方に少しでもきっかけを与えられたら嬉しいです。

ありがとうございました。

ダイコク