夜は思いっきり寝てみたい!
昼間働いている人がうらやましい!
いま、夜勤がきついと感じているあなたは、こんな風に思うことはありませんか?今回は18歳で就職し、色々な職場の夜勤を経験してきた私が
・夜勤のきつい理由
・夜勤経験時の様々な弊害
・夜勤で起こりうる様々な体の変化
などについて書いていきたいと思います。
今、夜勤に勤めていて「そろそろ体が限界だ」「昼勤に移れるだろうか」と悩んでいらっしゃる方の参考に少しでもなれば嬉しいです。
また夜勤がきついとは逆に、夜勤についての実体験を基にしたメリットを知りたい場合は以下の記事をどうぞ。
夜勤はきつい…原因とは?
毎日が睡眠不足
夜勤の人は睡眠不足になりがちです。
人の体は日が昇る朝に目を覚まし、日が沈み暗くなった夜に眠くなるというリズムを太古から刻んでいます。そのため仮に、昼間にたくさん眠れたとしても、明るい昼間では睡眠も浅く熟睡できていないとされています。
昼間に熟睡できていないため、眠気が取れるわけがありません。寝ても寝ても眠いという負のスパイラルに陥ってしまいます。
出勤途中に寝不足が原因で、事故を起こしてからは遅すぎるので、「寝不足がつらすぎる」というかたは早めの転職を考えるのもいいかもしれません。
急な来訪者
夜勤の人が睡眠不足になってしまう、もうひとつの理由が自宅に急な来訪者が来ることです。
新聞や宗教勧誘など、あとは宅配便などです。それの対応で寝ている時間をいちいち邪魔されてしまい、それも原因で睡眠不足になってしまうのです。
向こうも仕事ですので責めるわけにもいかず、ぶつけようのない怒りがまた目を覚ます行動になってしまい、ますます眠れなくなってしまうのです。
昼間に起こされてしまうとなかなか寝付けないという夜勤の方は多く、昼間働いている人より、どっぷり寝れることが少ないのです。
周りの人と時間が合わない
夜勤の人は、日中働いている家族や友達と、時間がなかなか合いません。
家族のある方だと、自分が起きているときに家族は寝ていて、自分が寝ているときは家族が起きています。
自分が寝ているときに家族は起きているわけですから、普段の生活にも「起こしてはいけない」という気を使う行動が現れ、それはもちろん自分が起きているときにも気を使うわけですから、気が休まるときがありません。
家に帰っても気が休まることはなく、気を使いっぱなしの生活に疲れそれが原因で夜勤を辞めてしまう方も多いです。
家族や友達と時間が合うこともないので、仕事終わりには帰って寝るだけという人が夜勤の人には多いのです。
体に悪影響を及ぼす
夜勤で働くことによって様々な悪影響を体に及ぼすといわれています。
それは主に生活習慣病と性ホルモンの低下で、その原因が睡眠環境や食生活の乱れから来ているもので、夜勤をやっているだけで体に悪影響を及ぼすリスクが一般の方より跳ね上がってしまうのです。
ですから夜勤の方には昼間働く方より、多めの健康診断の実施が会社で義務付けられていて、一般の方より病気にかかるリスクがあるということなのです。
休みの日でも夜に寝れない
夜勤の方は休みの日であっても夜に眠ることができません。
長期休暇だと話は変わってきますが、一日だけの休みとかに夜に寝てしまうと昼間に寝れなくなってしまって、いざ仕事の時にまったく眠れていない状態で出勤になってしまうからです。
夜勤の人で休みの日でも睡眠の時間帯を気にしている方は多く、せっかくの休みの日なのに翌日の仕事のことを考えつつ調整しているのです。
昼勤夜勤の交代制
ずっと夜勤だと生活リズムを調整し、夜勤に慣れてくるということもありますが短期間での昼勤夜勤の交代制だと生活リズムは崩れ始め、体に悪影響を及ぼしてしまいます。
夜勤がある会社では、一昔前だと夜勤専門もありましたが今では、全員平等の精神で昼勤夜勤の交代制の会社が増えてきています。
この昼勤夜勤の交代制はずっと夜勤を続けるよりもはるかに辛く、交代になるたびに生活リズムが狂わらされるので、体を壊してしまう方が多いのです。
年を追うごとにだんだんきつくなる
若いうちは体が丈夫ですので夜勤も平気かもしれませんが、年を追うごとにだんだん夜勤がきつくなってきます。
昼勤の仕事でも年を追うごとにきつくなってくるのは当然で、それがなおかつ夜勤になってくると体がきつくなっていくのに拍車をかけている状態になります。
今でも夜勤で現役バリバリで働いている年配の方はたくさんいらっしゃいますが、それを自分に置き換えて考えてみましょう。
「自分だったらここまで働けるか?」「体を壊さずにいられるだろうか?」もし、今夜勤でいる自分に不安を感じたならば早めの行動を考えたほうがいいかもしれません。
夜勤はきつい!体に与えるその影響とリスク
上記でも少し説明しました夜勤で体に及ぼす悪影響を今度はもう少し詳しく書いてみたいと思います。
生活習慣病やがん
長年夜勤に従事していると、5年から10年ほどで糖尿病や高脂血症、10年以上で直腸がんや子宮がん、乳がん、前立腺がんなどのリスクが高まります。
昼夜逆転の生活を長年続けることで体内リズムに狂いが生じ、それが原因で生活習慣病やがんのリスクが大幅に上がってしまうのです。
「夜勤=短命」と怖い言葉がある通り、夜勤で働いている限り様々な生活習慣病のリスクがあるのです。
下記では生活習慣病をより細かく説明していきます。
肥満
夜勤を続けていると「太った」なんて話はよく聞きます。
これは、時計遺伝子と言われるBMAL1(ビーマルワン)という脂肪合成にかかわるたんぱく質が夜にかけて増加し、体の脂肪をため込む力が高まるからです。
夜勤でももちろん食事休憩はありますが、昼に食べるよりも夜中に食べてしまうとBMAL1がより活発に働きだし、どんどん太りやすい体質を作っていくのです。
「仕事中もたくさん動くし、ご飯も少ししか食べないのに」と思っている方でも、体自体がそういう構造になってしまっているので、知らず知らずのうちに太ったという方は多いです。
高脂血症や高血圧
上記の夜勤での肥満が原因でそのまま高脂血症や高血圧になってしまうリスクも跳ね上がります。
高脂血症は血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの基準値が高く、今では脂質異常症と呼ばれています。
食習慣、運動不足、肥満など様々な原因があるとされていて、運動不足は個人で違ってきますが、食習慣と肥満に関しては夜勤の方に当てはまってしまうので十分注意が必要です。
また高血圧も肥満、ストレス、喫煙、塩分の取りすぎが原因ですので、夜勤の方は肥満や寝不足によるストレスなどから昼勤の方より高血圧になってしまうリスクが高いです。
糖尿病
夜勤で働く方は、昼勤で働く方より2型糖尿病の発症リスクが高まる可能性もあり、ある研究では昼勤の人と比べると2型糖尿病の発症リスクが44%も高いことが示されています。
糖尿病は合併症が最も怖く、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経症がさらには心筋梗塞や脳梗塞などといった怖い病気も発症してしまうので、十分に注意が必要です。
糖尿病の初期症状には、足や手に痛みやしびれ、皮膚の乾燥かゆみ、頻尿、多尿、多汗、のどがよく乾くといった初期症状がみられるので覚えのある方は早急に医師に診てもらってください。
性ホルモンの低下
夜勤を続けていることで体内時計と深いかかわりのある性ホルモンの分泌量が低下してしまうともいわれています。
性ホルモンが低下してしまうと代謝にかかわる様々な症状がみられ、コレステロールが増える、心筋梗塞や狭心症の危険、または糖尿病になりやすいといわれています。
また上記の生活習慣病に直結することで、すべての原因は夜勤であるための寝不足や体内時計リズムの影響が原因とされています。
睡眠障害(不眠症)
睡眠は、就寝時に向けて分泌されるメラトニン、起床時に向けて分泌されるオレキシンというホルモンでリズムを形成しています。
メラトニンは眠気を誘う「睡眠ホルモン」と言われていて、このメラトニンのリズムが朝の光を浴びることによって体内時計がリセットされるのです。
昼夜逆転の生活が長引いてしまい、体の中のリズムにズレが生じメラトニンの分泌リズムも乱れ、眠れなかったり起きるのがつらくなってきたりといった障害が発生します。
そもそも睡眠障害(不眠症)とは
・入眠障害・・・なかなか寝付くことができない
・中途覚醒・・・途中で目が覚めてしまう
・早朝覚醒・・・予定より早く目覚め、そのまま眠れなくなってしまう
・熟眠障害・・・眠りが浅く、ぐっすり眠った熟睡間を得られない
の4つのタイプがあります。
夜勤をするようになって上記のひとつでも当てはまってしまう方は、すでに睡眠障害(不眠症)を発症してしまっていますので、一刻も早い生活の改善や昼勤に転職することを強くお勧めします。
夜勤はきつい!実際の体験談
ここでは、長年夜勤を続けてきた私が実際に夜勤であった様々な影響について書いていきたいと思います。
妻が倒れる
当時は昼勤夜勤の1週間交代で、朝8時から夜の8時までが昼勤。夜8時から朝の8時までが夜勤でした。
私自身ももちろんきつかったですが、何より妻の方が最初にダウンしてしまいました。私の生活リズムに無理に合わせてくれたのが原因です。
まだお子さんがいらっしゃらないご家庭のご主人は、生活リズムを合わせてくれている妻を一番気にかけてあげてください!
自分だけでなく、それに合わせてくれている家族の方が先にダウンしてしまう場合もあるのです。
夜勤はもちろんですが、交代制は十分に気を付けてほしいです。はっきりいってずっと夜勤よりも体はきつくなってしまいます。
寝れなかったことに対しての過度な不安感
夜勤になってしまうと、昼間寝れなかったことに対して過度な不安感に襲われてしまいます。
「今から夜勤に行くけどあんまり寝れなかった。どうしよう。」いつも通り仕事をこなせばいいだけなんですけど、寝不足で夜に仕事をするという不安感がどうしても拭えないのです。
今思えば睡眠不足で集中力の低下などで、仕事に対する不安が大きかったと思いますがあそこまで不安がってたのは夜勤の時だけだったと思います。
睡眠障害(不眠症)になってしまった
夜勤をやる前には長く眠れて、なおかつ深い眠りについていた私ですが、長い間の夜勤のため睡眠が極端に短くなり、そして浅くなりました。
夜勤をだいぶ離れてしまった現段階でもそれは続いています。眠っている夜中でもちょくちょく起きるようになり、また再び寝付くには長い時間を要してしまいます。
当時でも周りで睡眠時間が極端に変わったという方は多く、私と同じく睡眠障害(不眠症)になってしまった方はたくさんいらっしゃいます。
それだけ夜勤は睡眠に関して、障害をあたえやすいものなので今、睡眠に関して不安を覚えている方は一度、医師に相談してみるのもいいかもしれません。
イライラが止まらない
一人暮らしの頃や結婚してからも夜勤をやっている間は、睡眠不足が原因でけっこうイライラしてました。
一人暮らしの頃は突然の来訪者にイライラし、結婚してからは昼間に行動する妻の音に過剰反応し喧嘩が絶えなかったと思います。
寝不足でイライラする→そのイライラでなかなか寝付けない→また寝不足になるといった負のスパイラルになってしまうのです。
夜勤を初めてイライラするようになったなと少しでも感じるようになれば、それはあなたにとって黄信号ともいえます。
赤信号になる前に早めの転職への行動も考えましょう。
長年夜勤だった私が辞めた理由
いま、夜勤をしていて転職を考えている方、もう夜勤は卒業したいと考えている方の参考になるかはわかりませんがここに私が夜勤を辞めた理由を書きたいと思います。
子供がきっかけ
一度、夜勤に慣れてしまうとなかなか昼勤に戻れなくなってしまうそんな魔力もあり私は長年夜勤を続けてまいりました。
たしかに夜勤は給料も昼勤よりはいいですし、職種によっては昼勤よりも楽な職種もあります。人付き合いが苦手な方には、あんまり人と関わらなくていいというようなメリットも確かに存在します。
しかし、そんな私が夜勤を辞めた理由が子供が幼稚園に行き始めたからです。
子供が幼稚園に行き始めればおのずと子供が中心の生活スタイルになっていくため、私は夜勤を辞める決心がついたのです。
もちろん給料も下がりましたし、慣れない昼勤に苦労もしました。でも、子供と一緒に生活したい!一緒にご飯が食べたい!そんな思いから転職を決意しました。
今は主夫ですがあの時、夜勤を辞めて本当に良かったと心から思えます。
いま夜勤を辞めたいけどなかなか勇気がわかないという方の背中を押すのに少しでも役立ったら嬉しいです。
将来への不安
周りの夜勤で頑張っている年配の方々を見ると自分の将来に不安を覚えたのも一つの理由です。
夜勤で頑張っている年配の方々は本当にお元気です。自分の方がはるかに若いのについていけないぐらい元気なんです。
「この先自分が年食っても、この人たちぐらい元気に仕事できるだろうか?」
はっきりいって、まったく自信がなかったです。自分の体力や精神面を考えると続けていけるわけがない!そう感じました。
夜勤はきつい!と感じるあなたへ
いかがでしたでしょうか?
夜勤経験者の私が書いてみました。
私自身の辞めた最大のきっかけが子供ですが、でもやっぱり一番の理由は自分の体だと思います。
今、夜勤をしていて体調が少しでも悪くなったり、寝るのがうまくいかなくなったりしたら、転職を考えるのも一つの手です。
すぐに決めなくてもとりあえず求人を見るだけでもいいと思います。
給料がいい面などのメリットもありますが、今は気づいていないだけで夜勤をしているだけで体を蝕んでいる可能性もあります。
いま夜勤にどっぷりつかっている人でも、少しでも辞めたいと考えている人、そんな方たちの参考に少しでもなれば嬉しいです。
きつい夜勤で体を壊さないように祈っています。
ありがとうございました。
ダイコク